富士ゼロックスの『2層MOEフィルム』という新しい素材で、どんなものが作れるか試してみるというワークショップを開催しました。この素材…、いろいろな制作に使えて便利 !! これからどなたにも使っていただけるようにしますのでお楽しみに !
2層MOEフィルムとは
トナー転写という技術で、布、紙や合皮、物によっては木材など、あらゆる物に画像を転写できるフィルムです。トナーが素材に転写された上に、薄いpet面が保護膜のように覆う構造になるので、耐摩耗性や耐水性に優れています。・手順1. レーザープリンターでMOEフィルムに反転画像をプリント。・手順2. 好きな素材に当て、ヒートプレス機かラミネーターでヒートプレス。・手順 3. 冷めてから、剥離面をはがして完成!
まずは富士ゼロックスの大石さんにこのフィルムの特徴をご説明いただいてから、自由に制作を開始。イラストレーターやクラフトプランナーなど、7名のクリエイターの方々にお集まりいただきました。参加者のみなさんにそれぞれ転写したい画像と素材をご持参いただいたので、次々と転写をしていきました。
この日は、『どんな素材と相性がいいのか?』 『この技術でどんなことができる?』 ということを試してみる、というのが目的でしたので、とにかくいろいろな物に次々と転写。おかげで、このフィルムと相性の良い素材や、どうしてもうまく接着できない素材、また、『もしかしたらこういう物に使えるかも!』などアイデアがいろいろと出てきました。
レーザープリンターでMOEフィルムにプリントしたものを、素材に合わせてカットします。この後ヒートプレス機で圧着。
ノートに転写。透明フィルムにトナーをプリントしての転写なので、このようにノートの地の色がそのまま出てきます。乗算された雰囲気になりますが、これはこれでかっこいい。山本まゆこさんの作品です。
布、紙へはほとんど問題無く転写ができました。フェルトは剥離面をはがしてから再プレスすると綺麗に密着するようです。布はすこし厚手の素材の方が、 MOEフィルムが馴染むので向いている印象。フィルムの透明面がツヤツヤしているので、切り抜くのか全面にプリントするのかの処理は重要になりそうです。
こちら、5歳のお子様が描いた、宝石の絵。なんと、折りたたみの傘に転写。傘の布はポリエステルです。イラストレーターのオダギリミホさん制作。
STUDIO pippi のしげおかのぶこさんが制作したのは、お子さまの絵を使った、タイル ! こちらはタイルに直接転写したのですが、ちょっと接着が甘かったかな…。※追記※ 後日他の絵柄で、3Mの粘着シートに転写してから、タイルに貼り付けると既製品のような仕上がりになりました!
左から、MDF、木片、合皮。木片は少し接着しづらく、フィルムが少し浮いているのがわかります。MDFと合皮はバッチリ!!イラストレーターのミキサキコさんの作品です。MDFはプレスの際、ヒートプレス機とフィルムの間に、ざらっとした手触りの布を挟んでプレスしたので、フィルムにもざらりとした質感が写っています。
この日の超大作がこれ。
木製の額縁に転写したオダギリミホさんの作品。ずれないように綺麗に貼ったり、温度を調整しながらプレスしたりと手間がかかっています。木材によってはうまく接着できない可能性も。
どうですかこれ!! ワッフルの写真をポリエステルフェルトに転写し、ダンボールで作った型を乗せてヒートプレス機でプレス。軽くエンボス加工のようになっています。こちらは、クラフトプランナーのコクボマイカさんの作品。
続きは《後編》で…!
(後編:本当にいろいろな素材に、試しました)