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機械刺しゅう基礎講座vol.2「素材を知る」レポート

6/23(木)に実施した機械刺しゅう基礎講座vol.2「素材を知る」のレポートです。

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今回は参加者5名とコンパクトな会だったので、リラックスした空気で講座は始まりました。
はじめての参加者もいたので、まずは前回の振り返りです。
そのあと、さっそく糸の種類について学んでいきます。

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75デニールと120デニールの糸に触って、太さをくらべてみます。
一見するとその違いはわかりにくいのですが、
刺しゅうにしたときに、仕上がりの印象は異なります。
絵を書くことに例えると、糸の太さは線の太さなので、糸が細い方が解像度が高い絵がかけるわけです。
細かな刺しゅうをするときは、75デニールの糸を使うと繊細な表現ができます。

上糸は、たくさんの色や風合いのものを選ぶことができますが
下糸は、白か黒しかないそうです!

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タジマには下糸を巻く専用のマシンがあります。
ボビンに使われている金属の種類、なぜその素材が使われているのかまで詳しく解説する人見さん。

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針にも種類があります。
使用する糸によって取り替えます。

といった、知識を学んだところで、今回の目玉「試しぬい」のお時間です。

今回は「2cmの円」をデータの条件を変えて縫っていきます。
布はオーガンジーというスケスケの薄い布です。
120デニール(水色)、75デニール(青色)、30番(赤色)の3種類の糸を使用しました。

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ご覧の通り、下縫いのない円は縦方向に縫い縮んでしまい、楕円になりました。
データ上で横方向に数%太らせたデータで縫うことで補正されます。
キレイに仕上がったのは、不織布と一緒に塗ったデータです。(下段:水色の円)
うすい生地の場合、面をしっかり保持できる状態で縫うことがキレイな刺しゅうをつくるコツです。

糸密度の違いで、刺繍の雰囲気が変わることもよくわかります。(赤い糸の円)
写真ではわかりづらいですが、密度が0.3mm間隔の方は、糸がふっくら膨らんでいます。

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うすい生地にも工夫をすればきれいに刺しゅうすることができます。

続いては、「置き縫い」でニットを縫うことに挑戦です。
ニットはのびる生地のため枠にはめて、ピンとはることが難しい生地です。
そこで使用するのがうすいシートと専用のスプレーのり。
シートを枠にはめて、専用のスプレーのりを吹きかけそこにニットを固定します。

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が、先に使用した30番の糸が下糸の釜に詰まっていて、
なんとニットが下釜に巻き込まれて「食われて」しまいました。
急遽、トラブル対応タイムです。
ドライバーでパーツを取り外し、巻き込まれたニット生地に穴をあけないように丁寧に取り除きます。
予定していなかった工程のため、ニットを無事に取り外したあとは縫わずに次の縫い方解説に移りました。
(ニットも工夫すれば刺しゅうできます!)

同じ置き縫いでも、刺しゅうする部分を切り抜いたシートを使った縫い方があります。
専用のシートを枠にはめ、刺しゅうする部分をカッターやはさみで切り抜きます。
その穴の周りに専用の両面テープを貼り、刺しゅうしたい生地を平らになるように固定して準備完了です。

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今回参加者が持ち込んだのは、どちらも袋状のものです。
刺しゅうをいれたい部分が平らになるように広げて固定します。
持ち込み素材は失敗した場合のやり直しができないので、とても緊張します…!!!

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ギリギリの位置に「R」が刺しゅうされました。

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ビニルは透明なので縫っている様子がみえます。

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完成!まるでイニシャルが浮かんでいるようだ!

今回の「素材を知る」は、実演をしながら都度参加者の質問や
リクエストに応えながら進んでいきました。

素材を知ることで、適切な素材選びや表現できる内容について学ぶことができました。
次回7/21(木)は、「発注を知る」です。
様々な技術を使って刺しゅうをすることができるけれど、
刺しゅう屋さんに依頼するにはどうすればいいのだろう?
という疑問を解決します。

7/21(木)19:00-21:00 
参加費:3,240円(税込)
定員:10名
機械刺しゅう基礎講座vol.3「発注を知る」

参加申し込みフォームはこちら。(googleフォームに移動します)

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